ポスター優秀賞
2023年3月1日に北海道大学で開催された第18回ネットワーク生態学シンポジウムのポスター優秀賞は,参加者の投票により杉山尚さん,守田智さん(静岡大学)の「SIRモデルを用いた道路網上での渋滞の表現」に決定しました.
シンポジウム概要
第18回ネットワーク生態学シンポジウムは,2023年2月28日~3月1日に北海道大学で開催を予定しています.
ネットワーク研究を始めようとする大学生,大学院生から,ネットワークについて造詣の深い研究者まで 幅広い層がお互いに刺激し合えるようになっておりますので,皆様ふるってご参加下さい.
ポスターセッションでは,「ネットワーク」に関わる 情報通信,統計物理, アルゴリズム, 生物学,経済学,社会学などの分野からポスター発表を幅広く募集致します.
おもなトピックス
複雑ネットワーク(スモールワールド・スケールフリーモデル)
ウィルス拡散や連鎖的被害(停電、渋滞、倒産など)の防御策
Webポータルやコミュニティの抽出
企業等のソーシャルキャピタルの調査・活用, ブログ解析
情報空間の可視化
ネットワーク経済指標
ネットワーク中心性
SNS, 口コミや情報流通
生物的・社会的メカニズムに誘発されたネットワーク設計
動的適応通信,自律分散システム
P2P,センサやアドホックネットワーク
自己組織化経営
重要日程
発表参加申込締切:2023年 2月17日(金)(延長しました)
発表者名,発表タイトル,著者リスト,概要200~300字程度,論文(Extended abstract)
論文締切:2023年2月24日(金)(延長しました)
( アップロード方法は参加申込者に別途通知します)--> 【提出先】
聴講参加申込締切:2023年2月24日
シンポジウム開催日:2023年2月28日~3月1日
申し込み
参加費
現地参加(ポスター発表者もこちら)
学生:2,000円(税込)
学生以外(教員,社会人など):10,000円(税込)
オンライン聴講のみ:無料(ただし、ポスター聴講無し)
申し込み方法
発表参加登録用のフォーム:【発表申込】<<締め切りました
聴講参加登録用のフォーム:【参加申込】<<締め切りました
提出論文(Extended abstract)について
フォーマット:任意(A4サイズ)
1ページ目にタイトル,著者名,所属を含むこと
ページ数:2ページ
ファイル形式:PDF
提出用のフォーム:【提出先】
ポスターについて
現地での物理展示ポスターセッションを開催予定です
フォーマット: A0サイズ推奨(縦長/横長OK.展示板は横1200mmx縦1800mm)
プログラム
2023年2月28日(火)
13:00~13:40 受付
13:40~13:45 オープニング
13:45~14:45 レクチャー講演1
14:45~15:00 (休憩)
15:00~16:00 レクチャー講演2
16:00~16:30 ポスター優秀賞記念講演
2023年3月1日(水)
10:00~10:30 ポスターショートアピールタイム(1人:3分)<プログラムの都合上なし
10:00~12:30 ポスターセッション(現地のみ):
10:00~11:15 前半 奇数番
11:15~12:30 後半 偶数番
12:30~14:00 (昼休憩 / 幹事MTG)
14:00~15:00 招待講演
15:00~15:15 (休憩)
15:15~15:45 ネットワーク科学勉強会(国際会議参加報告)
15:45~16:00 クロージング
招待講演
講演者:藤岡 春菜(岡山大学)
タイトル:二部グラフからアリの分業システムを理解する
概要:社会性昆虫は集団で生活し、育児、掃除、巣の建設、防御、採餌などさまざまな仕事を分担する労働分業を行う。担当する仕事は、主に日齢によって決まり、個体はある仕事へ専門化する。しかし、巣内外の環境(仕事量)に応じて、担当する仕事のシフトも必要であるが、変動に柔軟でかつ頑強な分業システムの十分な理解には至っていない。この分業システムの解明には、個体の専門化の度合いを定量化し、その個体レベルでの特性が他個体や仕事、巣内の状態とどのように関連するのかを明らかにする必要がある。
そこで我々は、二部ネットワークの解析を、複雑なアリの分業ネットワークに適用し、解析を行った。ネットワークレベルでの特徴や、個体の特徴がネットワーク構造にどのように関係しているかを紹介し、分業をネットワークとして解析することの有効性について議論したい。
ポスター優秀賞記念講演
講演者:宮崎 聖人(北海道大学)/高橋 伸幸(北海道大学)
タイトル:ネットワークを用いたゴシップの存在理由の実証的・理論的解明
概要:当人には即時的な利益がないにも関わらず、なぜ人は利他的にふるまうのか、という問いは、社会科学と生物学において古くから大きな問いである。特に多人数での相互協力が困難であるにも関わらず、人間社会でみられることは大きな謎である。先行研究では、相手に協力すればその状況を見ていた別の誰かから協力のお返しをもらえる、という仕組みによって相互協力が成り立つと説明されていた。しかし、集団サイズが数百人以上になると全ての他人を直接観察できなくなるため、相互協力が成り立つにはゴシップによって直接相互作用していない人の情報を得られる必要がある。本研究では、このゴシップが存在するための条件を質問紙調査と進化シミュレーションで検討した。その結果、ゴシップが相互作用する人の数を増やさない場合には、ゴシップをすることが適応的になりうることが分かった。
レクチャー講演1
講演者: 松井 孝太(名古屋大学)
タイトル: 異なるドメインの知識を活用するための転移学習の基礎
概要:転移学習とは,新しいタスクに対する有効な仮説を効率的に見つけるために別のタスクで獲得した知識を利用するための機械学習の方法を指す.特に,大量の訓練データを用意することが難しい問題への強力なアプローチの1つであり,近年の大規模深層ニューラルネットモデルを利用可能たらしめている基盤技術となっているほか,医学や材料科学といったトータルのデータ数が限られている領域での知識獲得にも有効であることが期待される.本発表では転移学習の基礎として,どういう状況で(when)・どんな知識を(what)・どうやって(how)転移するかについて深層モデルを中心に説明する.
レクチャー講演2
講演者:横山想一郎(北海道大学)
タイトル:人工知能技術を用いた俳句の生成と評価の取り組み
概要:世界最小の定型詩といわれる俳句は,17音の文字列を用いて作者から読者に情景を伝えるものと考えられ,作者と読者が同じ言葉から共通して読み取る意味合いを利用して,短い言葉の中に様々な心情や風景が込められる.こうした特徴を持つ俳句は,言葉によるコミュニケーションを考えるうえで興味深い対象である.本発表では,機械学習による俳句の生成についての取り組みについて紹介し,深層学習による自然言語処理手法や,俳句の専門家の協力を得た生成俳句の評価,一般の俳句大会などへの応募により明らかとなった現状の生成俳句の水準について説明する.
ポスターセッション
P01:性風俗店のオンラインレビューから再構築する全国規模の性接触ネットワーク:伊東啓(長崎大学)/重田桂子(長崎大学)/山本太郎(長崎大学)/守田智(静岡大学)
P02:教師なし動画境界検出における部分Modularityを用いた凝集的階層クラスタリング手法の検証:行武俊秀(ALBERT)/水船公輔(ALBERT)/田中駿祐(ALBERT)/松林達史(ALBERT)
P03:ハイパーネットワークにおける構造的埋め込み表現取得:劉庶(東京大学)/鳥海不二夫(東京大学)/Cameron Lai(東京大学)
P04:研究グループサイズの分布の解析:浅谷公威(東京大学)/阿部真人(同志社大学))/中嶋一貴(ニューヨーク州立大学)/三浦崇寛(東京大学)/坂田一郎(東京大学)
P05:ソーシャルメディア上における研究者間のつながりと研究成果の関係の分析:三浦大樹(東京大学)/浅谷公威(東京大学)/宮崎邦洋(東京大学)/三浦崇寛(東京大学)/坂田一郎(東京大学)
P06:ドーパミン生成化学反応ネットワークの理論的解析:澤田駿(名大情報)/時田恵一郎(名大情報)
P07:新型コロナウイルスに関する情報のメディアによる違いの考察:戸祭修登(山形大学)/田中敦(山形大学)
P08:空間スキャン統計量と高次元回帰モデルの接点:川島孝行(東京工業大学)/米岡大輔(国立感染症研究所)/田上悠太(早稲田大学)/江口哲史(千葉大学)/野村周平(慶應義塾大学)
P09:標的型攻撃と範囲型攻撃に対するネットワーク頑健性とループの関係:中条雅貴(北陸先端大学)/林幸雄(北陸先端大学)
P10:感染症伝播抑制と知識発見効率を両立するネットワーク構造の探索:矢舗竜(広島市立大学)/今井哲郎(広島市立大学)
P11:ネットワーク上の感染症拡散モデルに対して基本再生産数を慎重に計算する:守田智(静岡大学)
P12:業務外の関係が業務上の関係構築に与える影響の評価:大久保雄太(広島市立大学)/今井哲郎(広島市立大学)
P13:感染リスクのベイズ学習モデルと人流データを用いた実証:坪井和史(東北大学)
P14:解剖学用語ネットワークによる骨格筋の機能的関係:百田龍輔(岡山大学)/山野泰子(東京大学)
P15:神戸市中心部における都市スケール歩行者シミュレーション:楳本大悟(RIKEN)/菊地麻衣子(NTT DOCOMO,INC)/照井彩子(NTT DOCOMO,INC)/安部孝太郎(NTT DOCOMO,INC)/清水隆司(NTT DOCOMO,INC)/平重克樹(NTT DOCOMO,INC)/伊藤伸泰(RIKEN)/野田五十樹(北海道大学・RIKEN)
P16:レギュラーランダムグラフ上の自己相互作用を含む囚人のジレンマゲームの相図と転移点:瀧口由宇(北海道大学)/根本幸児(北海道大学)
P17:SIRモデルを用いた道路網上での渋滞の表現:杉山尚(静岡大学)/守田智(静岡大学)
P18:Political Ideology Examination with Multilingual Content Analysis on Twitter platform:陳景慧(総合研究大学院大学)/水野貴之(国立情報学研究所)/土井翔平(北海道大学)
P.19:自然然言語処理分野における相互引用関係の非対称性及びヒエラルキー構造の分析 :喩琢成(東京大学)/浅谷公威(東京大学)/三浦崇寛(東京大学)/坂田一郎(東京大学)
ネットワーク科学勉強会(国際会議参加報告)
講演者:劉 庶(東京大学)
タイトル:今時のネットワーク科学のトレンドは?~ComplexNetworks2022国際会議参加報告~
概要:2022年11月にイタリア・パレルモで開催されたCOMPLEX NETWORKS 2022: ELEVENTH INTERNATIONAL CONFERENCE ON COMPLEX NETWORKS & THEIR APPLICATIONS(CNA2022)への参加報告です.ネットワーク科学においても数少ない専門レベルの国際会議であるCNA2022では,基礎から応用にかけて最新の研究成果がたくさん紹介されました.本報告では,会議から持ち帰った最新の研究トピックスなどの情報を共有し,コミュニティ抽出や構造的特徴など注目されている論文をピックアップして解説します.